南アジアの国ミャンマー。その都市ヤンゴンに、日本の味を受け継ぐラーメン屋『あじさい』がある。ヤンゴンにはいくつかラーメン屋が存在するが、ここの味噌ラーメンは「日本の味」の再現度においてトップレベル。しかも低価格で、何よりもラーメンから「真心」を強く感じるのだ。
・大々的な宣伝はせずに営業
「食材を手に入れるのがとても難しい。だけど美味しいラーメンを作りたいから頑張ってます」と語るのは、女将さんをしているミャンマー人のモーおばちゃん。彼女は日本に何年も住んで飲食店で修業をし、故郷のミャンマーに戻ってからラーメン屋をオープン。大々的な宣伝はせずに、地域住民やクチコミでやってくる日本人だけを相手にラーメンを作り続けている。
・古き良きラーメン開化の味
筆者（私）は味噌ラーメンを食べてみたが、スープを飲んだだけで目の前に日本の風景が広がった。コクのあるスープは複数の味噌をブレンドしてトゲを極限まで柔らかくしたもので、ツルッとした丸みのある麺が「古き良きラーメン開化の味」を感じさせる。
・濃いめのスープが旨味の強い麺に作用
オーソドックスなラーメンに「昔ながらのラーメン」という言葉がよくつかわれるが、『あじさい』のラーメンはそれとも違う。プラスアルファ、ジーンと染み入るコクがある。やや濃いめのスープが旨味の強い麺に作用して、ワンランク上の美味しさを表現しているのだろう。
・ホウレン草の微弱な苦み
武骨なチャーシューはやや強めの脂っぽさを感じさせるものの、キッュと引き締まったスープが「脂っぽさ」を美味しさのアクセントに変換。ホウレン草の微弱な苦みもあって、いくら食べても、何度すすっても、飽きのこないスッキリとした美味しさが続く。
・ミャンマーにラーメンを食べに行きたい
よくよく考えてみると、この味を出せるラーメン屋が、現代の日本において限りなく減っていることにも気がついた。日本にいながら「ミャンマーにあのラーメンを食べに行きたいな」と思ってしまう日がくるとは思わなかった。ちなみに、女将さんがイマイチだと思っている料理があると「それ美味しくないかも」と教えてくれて笑った。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 あじさい
住所 No.180 Botahtaung Pagoda Road Pazundaung Township Yangon
備考 同名の他店もあるのでご注意ください
Report: Kuzo.
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